セファロタス

セファロタスの栽培|セファロタス navi

セファロタス フォリキュラリスの種類と育て方 - 食虫植物 セファロタスの栽培について 用土、鉢、肥料など

セファロタスの栽培について

セファロタスの栽培はポイントさえしっかり抑えておけば、それほど難しいことはありません。

コンパクトに締まった草姿をしていますので、ちょっとしたところに置いて楽しむことができるのもセファロタスの魅力です。

一般的にセファロタスは、かなりの高湿度を保ち、こまめな水やりや腰水により、用土を常に濡らした状態で育てるのが常識ですが、このサイトではトップページでも、お伝えしているとおり、水やりを控え、用土を乾かし気味に管理するという、独自に試行錯誤してきた方法を解説しています。

このセファロタス navi方式は、以前から、セファロタスや食虫植物に精通されている専門家の方々にも、ご興味を持っていただいており、いろいろな方々に詳しい育て方をご説明させていただいてきましたが、この栽培方法を取り入れてくださっている方が増えていることを嬉しく思っております。

もっとも、この栽培方法は、あくまで初めてセファロタスを栽培される方にも挫折することなく、セファロタスの楽しみを知っていただきたいという思いからのもので、従来の栽培方法を否定するものではありません。

この栽培方法でセファロタスの栽培に自信がつきましたら、今度は、セファロタス栽培のベテランの方々が継承されている、用土を乾かさず、水槽などで高湿度に保つ、いわば常識的な、セファロタスの栽培方法も試されてみてはと思います。

セファロタスの鉢

セファロタスは地下部が大きく発達しますので、鉢は大きめのサイズを選ぶのが良いでしょう。中でも深鉢は、セファロタスの栽培に最も適した鉢と言えます。

セファロタスも他の植物と同様に、鉢の大きさや深さで株の大きさが変わってきますので、セファロタスのメリットでもあるコンパクトさを活かすには2号から3号の蘭鉢が適しています。

また、置き場所に十分な余裕があったり、ジャイアント系を育てる場合など、大きな袋を付けたい場合は最初から4号の蘭鉢に植え込むのが良いでしょう。

植物育成灯で栽培する場合、2号鉢と4号鉢が混在すると、背の高い4号鉢には良く光が当たり、2号鉢には光が当たらないということが起こりがちですので、その場合は、2号鉢を台の上に置くなどして高さを調節します。

セファロタスの用土

セファロタスを枯らしてしまう大きな原因のひとつとして、用土や、用土が含んでいる水を腐らせてしまう、ということがあります。

セファロタスが地中に伸ばす茎、いわゆる地下茎は、水浸しになることを嫌いますので、用土は水がサッと流れるように水はけの良いものが適しています。

また、セファロタスの栽培において、根がどれだけ発達するかということは特に重要です。根は、地上部や地下茎よりも最優先で育成すべきポイントと言っても過言ではありません。

そのため、健康な根が活発に伸びるよう、土中に十分な呼吸ができる環境が実現できるかどうかを意識しながら用土を選びます。

セファロタスの用土を考える上で、現地の写真も手がかりのひとつです。

しかしながら、植物は好みの環境ではないからといって簡単に移動することは出来ません。つまり野生の植物は苦手な環境の中でも我慢して生きていかなくてはならないということです。

逆に日本の猛暑を乗り切るためには、自生地での環境とは全く異なった栽培方法が必要なこともあるでしょう。

セファロタスはあらゆる環境に適応しますが、趣味で栽培するのであれば枯れなければ良いということではなく、野生よりも、より良い環境を整え、美しい姿を探求していくのが良いように思います。

ミズゴケでのセファロタス栽培

ミズゴケは保水力が高く、栄養分が豊富、植え方により通気や保水をコントロールでき、軽くて清潔、乾燥具合により見た目や重さも変わるため水やりの管理もしやすく、セファロタスの栽培において最も適した理想的な用土です。

また、室内で気軽に楽しめるのもセファロタスの魅力ですが、ミズゴケであれば鉢が倒れたとしても、床が土で汚れることもありません。

ミズゴケは理想的な用土ですが、へたりやすく排水性がやや良くありませんので、大きめの鉢に植える場合には排水性の良いパーライトやバーミキュライトをたっぷりと利用することで管理がしやすくなります。

パーライトは排水を良くし、バーミキュライトは乾湿を穏やかにする役目を持ちます。また、どちらもミズゴケがへたれて押しつぶされ、土中の通気が悪くなってしまうことによる根腐れを防ぎます。

なお、パーライトには原料により、いくつかの種類がありますが、セファロタスにはビーナスライトと呼ばれる黒曜石のパーライトが適しています。

使用するミズゴケは一般的な品質のもので十分ですが、あまりにゴミなどが多く混ざっているものは避けた方が良いかもしれません。

ちなみに、頂き物のセファロタスに使用されていた見るからに高品質のミズゴケは、5年ほど経っても、しっかり弾力があり、さすがに品質の良いミズゴケは高価な分の価値はありそうです。

このような高品質のミズゴケであれば、4号以上の鉢でも、パーライトやバーミキュライトに頼ることなく、何年もの間、保水と通気を確保した良好な土中環境を維持できそうです。

ミズゴケなどの一般的な用土を使用する場合、鉢底には軽石を鉢底が隠れるくらいに入れて排水を良くしておきます。

小さな家庭用温室での栽培の他、温室や水槽などの特別な設備が無い環境で、いつも身近に置いて楽しむのにも向いている用土です。

セントポーリア用土でのセファロタス栽培

セントポーリア用に配合された専用土は、保水と通気に優れ、とにかく根腐れを起こしにくく、たいへん管理のしやすい、セファロタスに適した用土のひとつと言えそうです。

軽くて柔らかい用土のため、セファロタスの繊細な根を傷めにくく、植え替えに苦手意識のある方は、ミズゴケより、こちらの方が良いかもしれません。

主に小苗の栽培に用いていますが、これといった問題もなく育っています。

バーミキュライト、ビーナスライト、ピートモスが配合されているはずですが、念のため、購入前には確認しておいた方が良いでしょう。

なお、元肥(もとごえ)が含まれているため、種子を蒔いたりフラスコ苗の鉢上げには向きません。

温室や水槽などを用い、湿度が常時70パーセント以上の環境で、腰水をせず栽培する場合に向いている用土です。

砂でのセファロタス栽培

砂はベテラン栽培家に好まれる玄人向けの用土で、砂でセファロタスを栽培されている方は、長年の経験に基づく一家言をお持ちの場合が多いように思います。

東北地方などでは古くから砂を用いて巨大な袋を持つセファロタスが育てられているようですが、海外においてもジャイアント系は砂で育てられていることが多いようです。

温室や水槽などを用い、湿度が常時70パーセント以上で、適切な温度管理がなされている環境において、あまり深くない鉢を用いて腰水で栽培する場合に向いている用土です。

ピートモスでのセファロタス栽培

海外のショップでは、セファロタスの栽培に、ほぼピートモスが使用されているようです。

国内でも経験豊富なセファロタス愛好家に愛用されていますが、ピートモスは産地により性質が異なり、よく考えず適当に選んで使用すると思わぬ失敗にもつながりかねませんので注意が必要です。

なお、いったん乾燥してしまうと、なかなか水を吸わなくなってしまうため、常に湿らせて乾かさないように管理します。

適切な温度管理がなされている環境において、腰水で栽培する場合に用いるのが良さそうな用土です。また、種子を蒔くのにも最適な用土です。

生ミズゴケでのセファロタス栽培

セファロタスの栽培において、生ミズゴケは一長一短で癖のある用土です。通気を悪くするコケが発生しにくく、用土の腐敗も起こりにくいというメリットがあります。

また、生ミズゴケの透明感のある明るい緑は、それ自体が極めて美しく、高い観賞価値があります。

その一方で、養分の欠乏により、セファロタスの葉の色が薄くなったり葉脈が浮き出たりしないよう、注意が必要です。

また、かなりの勢いで生長するため、セファロタスの小苗は埋もれてしまい、育つことができません。このため、種子を蒔く場合や、フラスコ苗の鉢上げには、使用を避けるべきです。

適切な湿度と温度の管理がなされている環境で栽培する場合に向いている用土です。なお、生ミズゴケを維持するためには常に湿っている必要があるため、腰水での栽培が適しています。

セファロタスの肥料

セファロタスをミズゴケで栽培する場合においては肥料を与えることはおすすめできません。セファロタスにとって、用土を状態良く維持することは極めて重要です。肥料はミズゴケを腐らせる原因となります。

一般的な乾燥ミズゴケには豊富な養分が含まれていますので、新しいミズゴケであれば特に肥料を与えなくても、元気に育ってくれます。

ピートモスや砂などの、養分が少ない用土で育てていることの多い海外では、洋ランの施肥(ごく薄い液肥を水代わりになど)に準じ、セファロタスに洋ラン用の肥料を与えて育てる場合も多いようです。

なお、ミズゴケが古くなるなどして用土の養分が極端に欠乏した状態で長く栽培していると、白っぽく弱々しい新芽ばかりになってしまう場合があります。

この場合は、ミズゴケでの栽培においても、薄いハイポネックス水溶液を株から少し離れたところに与え、その後、通常の水やりをしますと、数日のうちに濃い緑の新芽を出すようになります。

セファロタスの活力剤

セファロタスは水だけで育てていますが、興味の一環として、活力剤についても、いくつか試してみたりしています。

効果については環境にも影響されると思いますので、ご興味のある方はご自身で確認されてみるのが一番かと思います。

少なくともセファロタスに悪影響はなかったもの

用土の状態によっては効果が期待できるかもしれない活力剤です。

セファロタスの地上部に対して効果が感じられたもの

肥料よりも効き目は穏やかですが、肥料に比べて用土の傷みにくさには歴然たる差があります。

捕虫袋の大型化に効果が感じられたもの

海外の強力な発根促進剤を使用すると、根が鉢を埋め尽くすほど生長し、補虫袋も急激に巨大化します。あくまで個人的に楽しんだり見せびらかしたりする株に。

セファロタスの湿度計と温度計

セファロタスを栽培する上で、もはや湿度計と温度計は必需品です。セファロタスのすぐ近くにおいて、いつでも見えるようにしておきます。

セファロタスの霧吹き

セファロタスの栽培において、霧吹きを用意しておくことをおすすめします。安価で販売されている、ごくシンプルなもので十分です。

セファロタスの温室

セファロタスを冬場の湿度不足から保護するのに、小さな簡易温室は有効です。過湿になりすぎないよう、十分に隙間を空けておける構造のものが適しています。

セファロタスの植え込み

株だけが届いた場合には、すぐに用土へ植え付ける必要があります。セファロタスは深めに植え込むのがポイントです。葉が地表に出て十分に光を浴びられるようであれば、生長点は用土に埋まっていてもかまいません。

ただし、決して用土を押し固めないよう注意します。セファロタスの植え込みで用土を押し固めてしまいますと、地下部の通気が悪くなり、特に初夏あたりの30度を越えるようになった頃、暑さに耐えきれずバタバタと枯れ出してしまうことがあります。

セファロタスの詳しい植え方や日々の管理方法についてはセファロタスの管理をご覧いただければと思います。

セファロタスの品種や、より詳しい栽培方法については下記をご覧ください。