セファロタス

食虫植物 セファロタス 乾燥栽培とは

食虫植物 セファロタス フォリキュラリス の話題をテーマにした、セファロタスのコラム。

私がセファロタスnaviを公開した2013年ごろ、「セファロタスは用土を乾燥ぎみにして、湿度を高すぎないように管理しているんですよ」などと言えば、「どれ、私がセファロタスの育て方を教えてあげよう。まずは腰水をして、、、。」といった具合に栽培講座が始まったものでした。

そのころ、インターネットでは、海外の食虫植物団体が当時のホームページに掲載していた栽培方法を翻訳したものが多く広まっていたようで、書籍でもインターネットでも、自生地の環境を再現するような管理が紹介されていました。

その栽培方法は、今でも現役ですし、もちろん、間違っているはずがありません。自生地と同じ環境をつくって、育てられないはずはないのです。

ただし、それは、食虫植物に精通されている方々の場合です。誰でもベテランと同じように、この方法で上手に育てられるわけではありません。特に年々ひどくなる日本の猛暑は、現地では有り得ない異常事態です。

さて、一笑に付されてしまっていた乾燥ぎみの栽培方法ですが、状況が一変したのは、栽培しているセファロタスの写真をツイッターに載せてからでした。

このとき、育てているセファロタスを多くの方々に褒めていただき、そして、用土を乾燥させていることについて、予想以上に驚かれたものでした。国内だけでなく、写真をご覧になられた海外の方からも温かい反応をいただきました。

今では用土を乾燥ぎみに育てることも、それほど驚かれることはなくなりました。しかしながら、セファロタスは乾燥ぎみに育てるのが良い、という方針には、いささか違和感を覚えます。

セファロタスnaviでは、用土を乾燥ぎみにと、再三にわたって説明していますが、セファロタスnaviで紹介したいのは、セファロタスを乾燥ぎみに育てる、ということではありません。これはあくまで、目的を果たすための、手段のひとつに過ぎません。

セファロタスnaviで紹介しているのは、これまでの、自生地の環境を再現する、という考えから、セファロタスを日本の猛暑にも耐えられるように強く育てる、という考えへのシフトです。誰でもセファロタスの夏越しを成功させられる、最も簡単な方法だと考えているためです。

セファロタスの乾燥栽培は、あくまで、このための手段であって、これだけでうまくいくわけではありません。むしろ、今までの栽培方法に、この部分だけ置き換えるようなことをすれば、別の原因で枯れてしまう可能性も有り得るでしょう。

ですので、用土をいきなり乾燥させてしまう前に、まずはセファロタスnaviを、隅から隅まで、じっくり読んでいただけましたら嬉しく思います。