セファロタス

セファロタスの増やし方|セファロタス navi

セファロタス フォリキュラリスの種類と育て方 - 食虫植物 セファロタスの増やし方について 葉挿しのコツなど

セファロタスの増やし方について

セファロタスは1枚の葉からも、葉挿しで簡単に増やすことができます。植え替えの際に株分けで増やしても良いでしょう。また、地下部を切り分けて湿った用土に載せておく根伏せで増やすこともできます。

ここでは、最も手軽で成功率が高く、一度に多くの子株を得ることのできる葉挿しについて解説してみたいと思います。

セファロタスの葉挿し

セファロタスの最も簡単な増やし方が葉挿しです。作業を適切に行えば、ほとんどの葉から子株を得ることが出来る成功率の高い増やし方です。

セファロタスには、捕虫袋、幼葉、普通葉の、三種類の葉がありますが、葉挿しに使う葉は、いずれでもかまいません。

セファロタスの捕虫袋での葉差し。左が発芽前、右が発芽後。

セファロタスの葉挿しセファロタスの葉挿し

ただ、捕虫袋を取ってしまうと親株の鑑賞価値が著しく下がりますので、特別な事情がない限り、普通葉を用いるのが一般的です。

古い葉だと芽が出る前に枯れてしまいますので、葉挿しに使う葉は、なるべく若くて元気の良い葉を選びます。

葉は出来るだけ大きいサイズの方が良いですが、大きくて古い葉よりも、小さくても若い葉の方が成功します。

葉挿しに使う葉を決めたら、ゆっくり下に引いて根本から引きはがします。切り離すのではなく、取り外すといった具合です。

セファロタスの葉は茎に付いていた基部が残っていないと発芽しませんので、ここが最大のポイントです。

用土はミズゴケが良いでしょう。葉は根元を用土に軽く挿しておき、用土が過湿にならないようにしながら、湿度を高く保つようにします。また、十分に光を当てることも重要なポイントです。

セファロタスの親株を育てる場合はミズゴケが白く乾いてから水を与えますが、葉挿しの場合はミズゴケが乾いてきたら白くなる前に霧吹きで表面に軽く水を与えます。

ミズゴケは、すき間だらけなくらいで丁度良く、通常は全ての葉から発芽しますが、用土が濡れていたり、すき間なく詰められていたりすると、葉挿しの成功率は下がってしまうので注意します。

セファロタスの普通葉での葉差し。左が発芽前、右が発芽後。

セファロタスの葉挿しセファロタスの葉挿し

1ヶ月ほどで発根してきますが、掘り返したりせず、そのまましばらく放置しておきます。発根してから数週間もすれば、地上に小さな芽が出てくるでしょう。

葉挿しの葉は親株から外した後、数ヶ月から半年以上も持ちますので、子株を早く大きくするためにも、葉挿しの葉は自然に枯れるまで子株へ付けたままにしておきます。

セファロタスの株分け

セファロタスを植え替える場合などに、複数の生長点が大きく育っている場合がありますので、この場合は生長点ごとに株分けをすることで増やすことができます。

このとき、欲張って小さな株まで取り外してしまわないことが重要です。

セファロタスの子株を小さいうちに取り外してしまいますと、大きくなるまでに、たいへんな時間が掛かる上、セファロタスの小さな株はもろく、子株の生長点を傷めたり、うっかり親株の根をちぎってしまうなど、思わぬ失敗につながってしまう可能性もあります。

また、子株はセファロタスにとって命綱でもあります。子株を全て取り除いてしまうと、株の寿命が著しく短くなってしまいがちです。あるいは、環境の変化で地上部が枯れてしまった際に、そのまま復活せずに全て枯れてしまうということも起こりえます。このため、小さい芽を2つほどは残しておくようにします。

逆に、あまりに生長点が多いと、根の発達具合によっては、幼葉ばかりになってしまったり、成葉の捕虫袋が小ぶりになったりする場合もありますので、どのような株にしたいかを考えながら、生長点の数を調整していくのが良さそうです。

なお、株分けした子株に根が無い場合は、十分に根が張るまで、可能な限りの高湿度を保つようにします。

セファロタスの根伏せ

セファロタスの根伏せは、地下部を5センチほどに切り分け、葉挿しの場合よりも、より湿ったミズゴケの上に寝かせておくだけです。あとの管理は葉挿しと同様、通気よりも湿度を最優先として、可能な限り高い湿度を保ちます。

セファロタスの根伏せ。上が発芽前、下が発芽後。

セファロタスの根伏せ

セファロタスの根伏せセファロタスの根伏せ

なお、セファロタスは普通に育てていても脇芽が出て勝手に増えていきますので、自然にまかせて株分けをする方が一度に大きな株を大量に得ることができます。

セファロタスの実生

セファロタスは十分に成熟した株をしばらく植え替えをせずにいますと、極めて長い花茎を伸ばして多数の小さな白い花を咲かせます。

花期には大量の水を要求してきます。十分な潅水も花を咲かせるためのポイントのひとつと言えそうです。環境にもよると思いますが、初夏の頃に花芽が上がり、晩秋の頃に種が実り、翌年の雪解け頃に発芽が始まります。

遥かな異国の不思議な花、メルヘンチックで、とても趣のある愛らしい花ですので、ルーペをご用意の上、ぜひ咲かせてみてはと思います。株が少し弱るなどのリスクはありますが、きっと心に残る、かけがえのない体験となるはずです。

セファロタスのつぼみと、開花した小さな白い花。

セファロタスのつぼみセファロタスの開花

セファロタスの開花から結実、そして実生と、一連のライフサイクルを成功させている方は国内にも何人か、おられますが、一般に結実の部分だけは困難なため、ショップから種子を入手することをおすすめします。

用土はピートモス、または、ミズゴケが適しています。発芽がわかりやすいのがピートモス、発芽後の生長が良いのがミズゴケです。

品質にもよると思いますが、肥料なしではピートモスよりミズゴケの方が明らかに生長が早く、発芽後の管理が楽なので、セファロタスの種を蒔くのが初めてという場合にはミズゴケを用いる方が良いかもしれません。

ただし、高品質の乾燥ミズゴケは、しばしば再生してしまい、その場合、再生した生ミズゴケに覆われて、セファロタスが発芽しても育たないので注意が必要です。

セファロタスの種子を入手できた場合は保管せず、すぐに、十分に水を含ませたピートモスやミズゴケの上へパラパラと蒔いていきます。さらにその上から十分に霧吹きをかけます。その際、霧吹きの風で蒔いた種子を吹き飛ばさないように注意します。

セファロタスの種子は棒状のサヤに入っていますが、サヤの表面がフサフサしていてサヤ同士が絡まりやすいため、二本の爪楊枝などを用いて適当な間隔を空けて蒔いてあげるのが良いです。

セファロタスの種子を覆う、この良く絡みつくフサフサは、おそらくオナモミのように動物の毛などに付着し、水鳥や水辺を訪れる動物などに、種子を遠くへ運んでもらうためなのでしょう。

覆土はしませんが、決して水切れを起こさないように注意します。腰水での管理が無難です。

当初は湿度を抑え気味にして管理していましたが、発芽後の生長など観察していますと、どうやら、播種から3センチくらいになるまでは、高湿度環境で管理した方が良いような気がしています。

早いものは種子を蒔いてから80日くらいで発芽し始め、それから20日くらいまでの間に少しづつ発芽してきます。

サヤに入ったセファロタスの種子と、蒔いてから3ヶ月弱で発芽したセファロタス。

セファロタスの種子セファロタスの発芽

最初に双葉が展開した後、すぐにセファロタスらしい袋を付け始めます。極小サイズの袋ですが、ちゃんとフタも付いています。

発芽した苗は、たいへんデリケートで、霧吹きの風圧すら脅威となりますので、取り扱いは慎重に行います。

発芽後、3ヶ月くらいまでは、そのまま腰水で管理し、それ以降も3センチを超えるくらいまでは、特に用土を乾かさないように注意しながら管理します。

採取してから3ヶ月くらいまでの新鮮な種子であれば発芽率は3割くらいですが、それを越えると発芽率が1割以下になってしまう場合もあります。

種子さえ入手できればセファロタスの実生は簡単です。ただし輸入種子は種のように見える不純物が一定の割合で含まれていたりすることもあり、場合によっては1株あたりのコストが数千円となるなど、苗の入手に比べて割高です。しかも生長には、気が遠くなるほど長い年月を要します。

セファロタスを増やすのに適した時期

セファロタスを増やす時期は株分けと同じく極端に暑かったり寒かったりしなければ、いつでもかまいませんが、3月頃がおすすめです。

暑さで蒸れやすくなる5月から8月、残暑と乾燥の厳しい9月と10月は、空調で温度と湿度の管理が出来ない場合は避けた方が無難です。

セファロタスの入手方法について、詳しくはセファロタスの購入をご覧いただければと思います。

セファロタスの品種や、より詳しい栽培方法については下記をご覧ください。